SES業界10年の私がExcel管理をやめたいと決意した3大失敗

SES業界10年の私がExcel管理をやめたいと決意した3大失敗

Excel管理表が増え、ミスが目立つようになってきていませんか?
筆者は10年ほど前にSESの営業担当者をしており、当時は全てExcel管理で、数々の失敗に悩まされました。

この記事では実際に起こったExcel管理の失敗と、弊社がどのように解決したのかをご紹介します。

契約・請求の効率的な管理方法のヒントとしてお読みください。

Excel管理で実際に発生した、3大失敗例

宛先入力間違いによる書類送付ミス

書類の送付ミスで、客先からの信頼を失った事案です。

 

私は営業担当なので、クライアントやパートナーのやり取りをメインとしていましたが、
とある日に事務担当から話しかけられました。

経:「すみませ~ん、間違えて請求書送っちゃったみたいです~」

私:「え、どこ宛てのをどこに送っちゃったのさ?」

経:「違うんです~、パートナーさんに送る注文書を送っちゃったんです~」

私:「え!?もしかして同じ契約のじゃないよね!?」

経:「それが、そのまさかなんです~」

私:「おいおい!そりゃないぜ!」

請求先を間違えたのではなく、
パートナー企業へ郵送する注文書を、請求先クライアントに郵送してしまったことがありました。

私が記憶する限り、送付ミス系では一番最悪の事故です。

この契約は長期案件でしたが、この事故をきっかけに企業間の信頼関係が失われることとなり、
初回契約をもって終了となりました。

 

Excelの管理表上は、全ての情報が完璧に入力されていたのですが、
なぜこのようなことになってしまったのでしょうか?

 

原因は「宛名ラベルの貼り間違い」

請求書・注文書の内容や送付先住所を、間違いなく管理表に登録しても、
宛名ラベルの貼り間違いで送付ミスが発生します。

封入した後にラベルを貼るか、ラベルを貼った後に封入するかの問題ではなく、
作った書類とは別に宛先ラベルを貼るからミスをするのです。

 

請求書送付リミットを過ぎ、振り込みが遅れることに

営業と事務の情報共有ができず、請求書送付リミットが過ぎた事案です。

 

事務担当が月末月初の請求書作成に忙殺されますが、
請求書がクライアントに届いた頃、実際にこのような電話がきました。

ク:「この契約の請求金額ですが、今月は交通費分を追記してくださいってお願いしませんでした?」

私:「申し訳ございません。経理側が処理できてなかったみたいです。修正版作成してお送りしなおします。」

ク:「今月の締めに間に合わないので、支払が翌月分に合算になってしまいます。」

私:「え!?急ぎで処理しますので、なんとかなりませんか??」

ク:「本日の16:00までに頂ければなんとか・・・。」

私:「・・・。(それは無理だな・・・)」

結果として、クライアントの支払処理の締めに間に合わず、入金のタイミングが遅れる結果となりました。

数十万~数百万のキャッシュの損失はあとから入金があるとは言え、痛すぎます。

なぜこのようなことになってしまったのでしょうか?

 

原因は「変更情報を更新した気になっていた」

別途発生した交通費分を請求書にまとめてほしいとクライアントから言われた時点で、
手元の営業用管理表には入力しました。

その変更内容を経理側に伝えなければいけなかったのですが、差し込み業務により後回しになり、
結果忘れてしまっていたことが原因です。

自分はクライアントから直接連絡を受けて管理表を更新しているので、業務完了した気分になっていますが、
肝心の経理側に交通費分を追加する情報が伝わってないので、古い情報の請求書が郵送されます。

 

情報の更新漏れは、営業と経理でファイルを別々に管理すると発生します。

また、情報を口頭やメールでやり取りしている場合も漏れがでてしまいます。

 

新しいメンバーに管理表の扱い方を教える、教育工数の増大

管理表ファイルの仕様を、社歴のあるベテランしか知らないために発生する事案です。

 

自分で会社を設立しない限り、誰かが作った管理表に情報を記載していくことになります。

それは会社ごとの文化や歴史があり、仕様を把握したうえで関数など壊さないように入力をしていかなければなりません。

 

私も会社に入って最初に教えられたことは業界知識と社内の管理表についてです。

右も左もわからない私に、業界のことや社内の管理表について細かく説明してくれたのはもちろん上司ですが、結構な時間をかけてくれました。

後輩が入社すれば、同様に時間をかけて同じようなことを教えてあげました。

 

毎年誰かしらが、必ずやっていることなので、当時は疑問にも思わなかったですが、
今思うと「Excelの仕様が細かいから、時間かけて説明しないといけないんじゃないか」ってだけです。

しばらく運用すると、必ず誰かしら関数を壊してしまったりして、どうしたら元に戻せるかという話になります。

とある日の後輩と私の会話です。

後:「すみません・・・入力間違えてしまって削除したら#DIV/0!って表示されてワケわかんないっす!」

私:「どれどれ。あ~、ここのセルでDeleteキー使ったでしょ?」

後:「入力間違えたらDeleteキー使いますよね!?」

私:「それがダメなんだよね」

後:「なんでなんすか!?」

私:「・・・。(Excel勉強してね・・・)」

 

別の日。

後:「すみません・・・入力間違えてしまって削除したら#VALUE!って表示されてワケわかんないっす!」

私:「どれどれ。あ~、ここのセルでDeleteキー使ったでしょ?」

後:「入力間違えたらDeleteキー使いますよね!?」

私:「それがダメってこないだ話したと思うんだけど、これはどうやって元に戻したら良いかわからないな・・・」

後:「なんでなんすか!?」

私:「この複雑な関数を組んだ人でないとわからないんだよね」

後:「なんでなんすか!?」

私:「・・・。(もう勘弁して)」

こんなやり取りが事あるごとに発生していました。

 

原因は「Excelファイルが属人化している」

Excelは汎用性が高いため、数字を見やすくしようとすればする程、セルの参照先と関数が無限大に増えていきます。

関数を組んだ張本人に聞ければ話は早いですが、この時既に担当は退職しており、なんとなく把握しているメンバーしか残っていませんでした。

この複雑化された関数を紐解いていけば、仕様の把握は可能ですが時間がかかります。

時間をかけると達成感はありますが、無駄な時間です。

 

脱Excel管理による効果が大きいと考えシステム化

弊社ではExcel管理による見えないロスが多いと考え、全部の業務フローを見直しました。

・現行どんなフローで処理をしているか
・そこで使うツールは何か
・メインの担当者は誰か
・今後どのようなメンバーが携わるか

全て洗い出し、一連のデータ管理や業務フローの一本化を目指してシステム化を図りました。

 

システム化することで様々な効果が生まれました。
効果は「SES営業担当が探し求めていた、Excel管理表のシステム化 改善ポイント4つ」でご紹介します。

システム化のメリットカテゴリの最新記事

トップへ戻るボタン