オンプレミスとクラウドに対する価値観の変化

オンプレミスとクラウドに対する価値観の変化

こんにちは、まっす~です。

私は2008年頃からASPサービスやクラウドサービスを法人に対して営業する仕事をしてきましたが、

この10年間でクラウドサービスに対する価値観が大きく変わったなと感じたので、簡単に整理してみました。

オンプレミスとクラウドに対する価値観の変化

2010年頃は「社外にデータを置くのは絶対にイヤ」という声が多かったのですが、

2018年の今はどうでしょうか?

世の中全体がクラウドコンピューティングに対する見方や考え方が変わってきて、

今までオンプレミスだったシステムが、加速度的にクラウドに置き換わってきています。

時代の流れとともに、オンプレミスとクラウドに対する価値観が変化してきた背景があります。

 

では、昔と今ではどのような違いがあるのでしょうか?

私が「ASPサービスやクラウドサービスを提案してきた言葉」に対しての、

担当者の反応を時代別にご紹介します。

 

オンプレミスが良かった時代(2011年まで)

・社内のファイルサーバーの方がセキュリティ的に安全。

・「クラウド」なんて良くわからないし、外にデータ置きたくない。

・クラウド?なにそれ?ASPサービスのことでしょ?

・自分たちが使いやすいようにインフラ環境はカスタマイズできた方が良い。

・社外から会社のデータを見るなんてセキュリティ上あり得ない。

ご存知の通り、「クラウド」などという概念が無かった時代の話です。

日本は特にそうなのですが、ITでの新しい言葉にアレルギー反応を示す風潮なので、

クラウドの話をすると鼻で笑われることが多かったです。

この時代にクラウドサービスを導入していた企業はアーリーアダプター(イノベーターかも)であり、

某コンビニエンスストアが基幹システムをセールスフォース・ドットコムのサービスに移管するというニュースがとても印象的でした。

まぁ、ASPサービスが普及していた2000年代なので当然と言えば当然ですが、

 

 

なかなか受け入れてくれる会社は少なかったです。

 

クラウドが受け入れられ始めた時代(2011年~2014年)

・社内サーバーが壊れて、大事なデータを失ったのでクラウドにした。

・サーバーのお守りに結構コストがかかっていることに気が付いた。

・クラウドのことを良く知ったらメリットが多いことが分かった。

・以前ほどシステム予算が大きく取れなくなった。

・大手企業や自治体が導入するなら問題なさそう。

徐々にクラウドサービスを利用する企業が増え始め、

オンプレミスと比較するとクラウドの方が初期導入コストを大幅に減らせることが浸透したり、

クラウドの方が経営状況に合わせて柔軟に環境変更しやすいという利点が世の中に広まったおかげだと感じます。

また、セールスフォース・ドットコムが地方自治体向けの導入を加速させたことで、

「日本企業としては官公庁が導入しているなら大丈夫」という安心感がクラウド普及を加速させたように思います。

そう考えるとセールスフォースってすごいなぁ。

 

クラウドが当たり前になった時代(2016年~)

・災害リスクを考えると、クラウド上にデータを分散保管するのが当然。

・働き方改革を進める上でクラウドシステムは必須

・テレワークを推奨する上で、オンプレミスはやりにくい部分が多い。

・オンプレミスやハードディスクは直接持ち出されるリスクがある。

・社外からデータにアクセスできるため、場所にとらわれない。

「働き方改革」「テレワーク」これらの言葉が溢れかえっていますが、

その裏で導入が進んでいるのがクラウドサービスです。

今まで、自社オフィス内でしかアクセスできなかったシステムをテレワークで使おうとすると、

VPNの設定を行う必要があったり、システムの追加開発を行う必要があります。

その点を踏まえるとクラウドの方がコストが抑えられます。

 

また、災害に対するリスクを考えるようになった企業が増え、

BCP対策の一環としてクラウドを選択するケースが増えました。

自社サーバーだと、建物の倒壊による物理的な損害は少ないにしても、

電力ストップによるダウン、温度調節不良による故障など、考えられるリスクは山ほどあります。

自分たちの実体験もあり、クラウドの導入がどんどん進みました。

 

まとめ

この10年の間に人々の価値観が大きく変わったと思います。

クラウドはダメ  クラウドでなきゃダメ

クラウドに対する抵抗感が薄れただけでなく、むしろ肯定されるようになり、

システム稼働はクラウド上であるのがスタンダードになりました。

そうでなければAWSやAzureのようなサービスは登場していないですよね。

 

オンプレミスでないと情報を守れない、

クラウドだとサイバー攻撃のセキュリティリスクが高いという様なご意見を今でもたまに貰います。

でも、「オンプレミスの方が安全」というのは根拠の無い思い込みです。

オンプレミスでも、サーバーの物理的破壊や情報持ち出しのリスクは存在していますよね。

もちろんクラウドでも、リスク自体はゼロにはなりません。

 

固定概念にとらわれず、社員が働きやすい環境、システムを考えた時に

どちらを選択するのかが最良であるかを決めましょう。

 

情報資産の管理やセキュリティリスクに対する対策は別物として考えてください。

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